トラに勝つ牛

こんな言い伝えがあります。

農夫が牛を引いて山を越えようとして
トラに出くわしました。
牛は怖くて震え出し、農夫も震え上がりました。

牛はトラには勝てません。
でも、農夫は牛を見捨てて
逃げたりはしませんでした。

農夫は牛をなでながら
「おまえは力が強い。
おまえはトラよりも体が大きいし
ツノも2つある。勝てるぞ」
ずっと自信を与え続けました。

逃げる牛はトラにとって捕えやすい獲物です。
トラは牛に飛びかかり、喉に噛み付こうとしましたが
牛がツノを突きつけて抵抗するので
結局、ツノで突かれて負傷しました。

牛と私たちは同じです。
自分を信じる思いが自信を育て
できるようになるのです。
自分自身を褒め、励ましてあげましょう。
それが脳をうまく活用する方法です。

脳は豊かな環境を好む

バークレー大学の神経心理学科研究チームは
乳離れしたマウスの赤ちゃんを対象に
「退屈が脳に与える影響」を観察しました。
その結果、単調な環境では
たった4日で精神的な退化が
始まったといいます。

幼い時ほど
環境の影響は支配的です。

学校のチャイムが鳴れば
塾に行くような
単調な生活では
脳が疲れやすいのも当然です。

子供の脳は親が思っているよりも
はるかに優れた能力を持っています。

親の過保護でその能力を
使う機会を逃さないように
子供が興味を持って様々な経験が
できる場を作ってあげましょう。

幼いころはたくさん見て、たくさん聞いて
たくさん経験するのが良いのです。

青年よ、自分の人生を生きよう

今の時代の厳しい現実に閉じ込められ
道を探す青年たちに
メンターを名乗り出て
道を案内しようとする人がいます。

メンターが示す解決策の共通点は
「世間が要求する基準に自分の人生を合わせるのではなく
自分自身の人生を生きなさい」ということです。
これは、創造的な人生を生きるとも言えます。

青年が、自分自身の人生を生きるというのは
漠然としていて、なおかつ勇気のいる選択です。

それがどんなものなのか
どうずれば、そうできるのか
そのような人生の目標とは、
いったい何なのか分からないからです。

分からないまま一歩を踏み出すのが
本来、青年の道です。

分からないまま、一歩一歩踏み出しているうちに
自分が何者なのか分かる瞬間がやってきて
自分自身を信じる感覚も大きくなります。
自分自身を信じて進む道が「私の道」です。

このとき、自分が信じる「私」は
感情に染まっている私ではなく
感情を眺める私、
欲望に浮かれる私ではなく
欲望の根を観察する私です。
それがオルから出た自我です。